視覚・聴覚言語障害者支援体制加算の算定要件と単位数を徹底解説|就労継続支援B型対応

  • 障がい福祉
公開日
更新日
執筆者松本 夏奈
コラムテーマ障がい福祉
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障害福祉サービスにおいて、利用者の特性に合わせたコミュニケーション支援は非常に重要です。2024年度(令和6年度)の報酬改定では、視覚・聴覚・言語機能に障害のある方への手厚い支援をより適切に評価するため、「視覚・聴覚言語障害者支援体制加算」が2段階の区分に見直されました。

このコラムでは、就労継続支援B型事業所向けに、この「視覚・聴覚言語障害者支援体制加算」について、算定要件、単位数、対象者の考え方、そして実務上の注意点を分かりやすくご説明します。

視覚・聴覚言語障害者支援体制加算とは?(制度の概要)

視覚・聴覚言語障害者支援体制加算とは、視覚や聴覚、言語機能に重度の障害がある利用者に対して、意思疎通に関して専門性を有する職員を「基本人員に加えて(加配して)」配置することで算定できる加算です。

2024年度改定の大きなポイントは、従来の一律単位から見直され、対象となる利用者の割合や専門職員の配置数に応じて、より手厚い評価となる「加算()」と、従来の基準を引き継ぐ「加算()」の2段階になったことです。

 【一覧表】視覚・聴覚言語障害者支援体制加算の単位数まとめ

対象利用者の割合と職員の加配数によって、算定できる単位数が分かれます。

加算区分

単位数(1日につき)

視覚・聴覚言語障害者支援体制加算(Ⅰ)

51単位 × 当月の延べ利用数

視覚・聴覚言語障害者支援体制加算(Ⅱ)

1単位 × 当月の延べ利用数

 

区分別の算定ルールと要件の違い

本加算を算定するためには、対象利用者の割合と、専門職員の加配人数の両方を満たす必要があります。

視覚・聴覚言語障害者支援体制加算()の要件

以下の2つを両方満たすこと。

  1. 利用者全体の 50%以上 が視覚・聴覚言語障害者に該当すること。
  2. 基本人員に加えて、専門性を有する職員を 利用者数 ÷ 40 以上(常勤換算) 配置すること。

視覚・聴覚言語障害者支援体制加算()の要件

以下の2つを両方満たすこと。

  1. 利用者全体の 30%以上 が視覚・聴覚言語障害者に該当すること。
  2. 基本人員に加えて、専門性を有する職員を 利用者数 ÷ 50 以上(常勤換算) 配置すること。

注意点:多機能型事業所等の場合 複数のサービスを実施している場合は、事業所全体の合計利用者数のうち、対象者の割合が50%(または30%)以上であり、加配する職員も事業所全体の利用者数を40(または50)で割った数以上である必要があります

算定するための必須要件(チェックリスト)

加算を確実に算定するためには、以下の要件と実務フローを遵守する必要があります。

対象となる利用者の確認

以下のいずれかに該当する利用者が算定のベースとなります。

  • 視覚障害者:身体障害者手帳1級または2級で、コミュニケーションや移動に支障がある方。
  • 聴覚障害者:身体障害者手帳2級で、コミュニケーションに著しい支障がある方。
  • 言語機能障害者:身体障害者手帳3級で、コミュニケーションに支障がある方。

専門職員の配置と証明

専ら対象者の生活支援に従事する職員として、以下ができる職員を配置する必要があります。

  • 視覚障害:点字の指導、点訳、歩行支援など
  • 聴覚・言語機能障害:手話通訳など
    算定にあたっては、履歴書や資格証などで専門性を証明できる書類を準備します。

指定権者への事前の届出

算定には指定権者への事前の届出が必要です。毎月15日以前に届け出た場合は翌月から、16日以降の場合は翌々月からの算定となります。

毎月の比率チェック(再計算)

「重度障害に該当する利用者の数」と「専門性のある職員」の比率が非常に重要です。利用者の入退所や職員の入退職・異動が発生した場合は、必ず要件を満たしているか再計算してください。

Q&A】実務で迷いやすいポイント

Q1. 複数の障害を併せ持つ利用者は、人数のカウントに特例はありますか?

A1. はい、あります。重度の障害(視覚障害・聴覚障害・言語機能障害または知的障害)のうち「2つ以上」を有する利用者は、1人を「2人分」としてカウントすることができます。なお、この組み合わせにおいて知的障害は「重度」である必要はありません。

 

Q2. 職員の退職や利用者の増減で、月の途中で要件を下回ってしまった場合は?

A2. 要件を満たさなくなったその日から加算の算定をストップし、指定権者に速やかに変更の届出を行う必要があります。

 

Q3. もし誤って要件を満たさないまま請求してしまった場合はどうすればよいですか?

A3. そのままにせず、速やかに「過誤(事業所側の申し立てで請求を取り下げること)」の手続きを行ってください。誤った請求を放置して運営指導などで指摘されると、監査や行政処分、加算金の支払い等に繋がる恐れがあります。

まとめ:専門的なコミュニケーション支援を収益に繋げるために

2024年度の報酬改定によって、手厚い支援体制を構築している事業所がより評価される仕組みになりました。視覚・聴覚言語障害者支援体制加算を適切に運用することは、就労継続支援B型事業所の収益安定だけでなく、利用者との円滑な意思疎通や安心できる環境づくりに直結します。 複雑な比率計算や人員管理、指定権者への手続きについて不安がある場合は、専門のコンサルティングを活用することも一つの手です。

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執筆者 : 松本 夏奈

大学卒業後、船井総合研究所に新卒入社。 現在は、障がい福祉業界専門コンサルタントとして、主に児童発達支援・放課後等デイサービス・就労継続支援の立ち上げや運営改善を支援。 経営者に伴走し、業績アップに貢献していくのはもちろん、 その先にいる現場スタッフと利用者の満足度と質を向上させることに注力することで、長く生き残り、持続的に成長し続ける企業の創出に尽力している。