児童発達支援および放課後等デイサービスを運営する上で、収益の柱となるのが「児童指導員等加配加算」です。2024年度の報酬改定では、スタッフの「資格」「経験年数(5年以上)」「雇用形態」によって単位数が細分化されました。
本記事では、定員10人以下の小規模事業所から、11人〜20人以上の大規模事業所まで、全ての区分を網羅した最新の算定ルールを解説します。
児童指導員等加配加算とは?(制度の概要)
児童指導員等加配加算とは、各自治体が定める「人員配置基準(最低限必要なスタッフ数)」を超えて、さらに1名以上のスタッフを追加で配置した場合に算定できる加算です。
2024年度の改定により、スタッフを「一人の専従スタッフとして固定」するか、「複数のパートタイマーの合計で確保」するかによって単位数に差がつく仕組みとなりました。
【決定版】児発・放デイ共通:単位数一覧(定員規模別)
児発・放デイともに単位数は共通です。ご提示いただいた画像に基づき、最新の数値を整理しました。
① 定員10人以下の場合
|
配置形態・経験年数 |
単位数(1日につき) |
|
常勤専従・経験5年以上 |
187単位 |
|
常勤専従・経験5年未満 |
152単位 |
|
常勤換算・経験5年以上 |
123単位 |
|
常勤換算・経験5年未満 |
107単位 |
|
その他の従事者を配置 |
90単位 |
② 定員11人以上20人以下の場合
|
配置形態・経験年数 |
単位数(1日につき) |
|
常勤専従・経験5年以上 |
125単位 |
|
常勤専従・経験5年未満 |
101単位 |
|
常勤換算・経験5年以上 |
82単位 |
|
常勤換算・経験5年未満 |
71単位 |
|
その他の従事者を配置 |
60単位 |
③ 定員21人以上の場合
|
配置形態・経験年数 |
単位数(1日につき) |
|
常勤専従・経験5年以上 |
75単位 |
|
常勤専従・経験5年未満 |
59単位 |
|
常勤換算・経験5年以上 |
49単位 |
|
常勤換算・経験5年未満 |
43単位 |
|
その他の従事者を配置 |
36単位 |
人員配置と勤務スケジュールの考え方(実例)
「誰を基準人員に入れ、誰を加配分にするか」を戦略的に立てる必要があります。定員10名の平日の放デイ(常勤時間:週40時間)を例にシミュレーションします。
勤務実例:高単位(常勤専従・5年以上)を狙う場合
加配分としてカウントするスタッフDを、他の業務と兼務させず「現場専従」に固定するパターンです。
|
スタッフ |
資格・経験 |
勤務時間 |
役割区分 |
|
スタッフA |
児童指導員(常勤) |
9:00〜18:00(8h) |
人員基準(1人目) |
|
スタッフB |
保育士(非常勤) |
13:00〜17:00(4h) |
人員基準(2人目) |
|
スタッフC |
児童指導員(非常勤) |
13:00〜17:00(4h) |
人員基準(2人目) |
|
スタッフD |
保育士(5年超・常勤) |
9:00〜18:00(8h) |
加配加算(常勤専従) |
- 判定: スタッフDがフルタイムで加配業務のみに従事しているため、187単位/日が算定可能です。
- ポイント: スタッフDに事務作業や送迎のみの時間を設けてしまうと「専従」と認められないリスクがあるため、現場支援に特化させます。
算定するための必須要件チェックリスト(実地指導対策)
加算を適切に算定し、返還リスクをゼロにするためのチェックリストです。
- 人員基準の充足: 管理者、児発管、基準人員(2名以上)が欠員なく配置されているか。
- 5年経験の証明: 「経験5年以上」を算定する場合、前職の「実務経験証明書(合算5年以上かつ900日以上)」を原本保管しているか。
- 常勤換算1.0の確保: 加配としてカウントするスタッフの合計勤務時間が、事業所の定める常勤時間に達しているか(0.1でも不足すると算定不可)。
- 専従の定義: 「常勤専従」で届け出ているスタッフが、サービス提供時間外に他業務(送迎等)に従事しすぎていないか、自治体の解釈を確認しているか。
- 勤務形態一覧表の整備: 毎日のシフト実績が記録され、加配分を誰が担ったかが明確になっているか。
- 自治体への体制届: スタッフの退職や入社、資格・経験の更新に伴い、速やかに届出を更新しているか。
【Q&A】実務で迷いやすいポイント
Q1. 定員11人の事業所で、欠席により利用者が10人になった日の単位は?
A. 定員11人の単位(125単位など)が適用されます。
当日の利用者数ではなく、自治体に届け出ている「利用定員」に基づきます。
Q2. 児発と放デイの多機能型の場合、加配スタッフは共有できますか?
A. できません。
それぞれのサービスごとに基準人員を配置した上で、さらにそれぞれのサービスごとに加配スタッフを配置(または常勤換算で按分)する必要があります。
Q3. 「5年以上の経験」は保育所での経験も含まれますか?
A. はい、含まれます。
保育所、幼稚園、小学校、障害児・者施設など、指定された施設での実務経験は全て合算可能です。
まとめ戦略的な事業運営のために:船井総合研究所の活用
放課後等デイサービス・児童発達支援の経営環境は、数年に一度の報酬改定を含め、かつてないスピードで変化しています。児童指導員等加配加算のような「人員配置」が直接収益に影響する項目に対しては、専門的な知見による経営判断が求められています。
加算取得の最適化や人員配置のシミュレーションに関するお悩みは、こちらからお気軽にご相談ください。
株式会社船井総合研究所(障がい福祉専門の経営支援)
船井総合研究所では、全国の児童発達支援・放課後等デイサービスの法人に対し、データに基づいた経営コンサルティングを提供しています。
- 報酬改定・地域区分を網羅した収支シミュレーション:
エリア特性や最新の報酬体系(2026年対応)を踏まえ、最大収益を得るための加算取得戦略を提案します。
- 採用・定着・処遇改善の最適化:
地域区分の差を乗り越え、優秀な人材を確保するための評価制度構築と、処遇改善加算の最大活用を支援。
- 業界の最新動向の提供:
実地指導に強い組織づくりから、変わり目をチャンスに変える経営戦略まで、幅広くアドバイスいたします。
船井総合研究所では、全国の志高い経営者が集う**「障がい福祉サービス経営研究会」**を主宰しています。累計300社以上の法人が参加し、成功事例のリアルタイムな共有や、最新の報酬改定への具体的な対応策、ICT活用による生産性向上など、現場で即実践できるノウハウを学び合うコミュニティです。
- 全国の成功事例が手に入る: 地域や規模を問わず、高収益・高付加価値な運営モデルを直接学べます。
- 経営者同士のネットワーク: 同じ悩みを持つ経営者と課題を共有し、解決策を導き出す貴重な場を提供します。
詳細・お申し込みはこちら: 障がい福祉サービス経営研究会|株式会社船井総合研究所
公式サイトで詳細を見る: 船井総合研究所|福祉・介護・教育・医療業界コンサルティング









