看多機の立ち上げ:成功事例から学ぶ魅力と戦略

はじめに

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近年、高齢化が進む日本において、在宅での医療・介護ニーズはますます高まっています。その中で、看護小規模多機能型居宅介護(看多機)は、訪問看護と小規模多機能型居宅介護の機能を併せ持つサービスとして注目されています。しかし、看多機の運営は難しいという声も聞かれます。そこで、今回は、看多機事業を成功させている企業への取材を基に、その成功の秘訣をQ&A形式でご紹介します。

今回ご紹介するユニバーサル株式会社は、富山県で有料老人ホームなどの入居系サービス、小規模多機能、福祉用具をメインに現在8拠点展開している介護会社です。看護小規模多機能の制度化がされる以前から、小規模多機能×訪問看護を組み合わせた事業を運営し、社会性と収益性を両立した素晴らしい実績を残されている網社長、堀管理者に取材しました。

網社長(右)と管理者の堀さん(左)

{Q.} 運営が難しいと言われる看多機にどうして参入しようと思われたのでしょうか?

{A.} 当初から看多機を始めたわけではなく、小規模多機能型居宅介護を提供していたのが始まりです。その中で、利用者さんの重度化に対応するため、訪問看護を併設した事業体を組み入れたところ、制度が後から追いついてきたようなイメージで、自然な流れで看多機に移行しました。無理やり参入したというよりは、利用者さんのニーズに応える中で看多機へと進化したという感じですね。

{Q.} 看多機は、認知度が低いことから、経営的に苦戦する事業所が多いと聞きます。軌道に乗せるまでに苦労したことはありますか?

{A.} 小規模多機能型居宅介護から看多機に転換するにあたり、地域のケアマネージャーやソーシャルワーカーにサービスの仕組みを理解してもらう必要がありました。どうしても事業開始当時は、軽度の利用者さんから、介護保険の限度額を超えてサービスを利用したいという相談が多く、課題に感じていました。具体的には、毎日通いたい、泊まりたいといった要望がありました。

看多機施設「二上あいの風」

{Q.} やはり、課題があったのですね。どのように課題を解決されたのでしょうか?

{A.} まず、看多機の認知度向上のために、地域のケアマネージャー向けに説明会を開催しました。また、利用者の重度化に対応するために、看多機単体ではなく、グループホームや住宅型有料老人ホームなどを併設し、様々なサービスを組み合わせることで、多様なニーズに対応できるようにしました。さらに、重度の方に対応できるよう、スタッフのスキルアップを強化しました。また、職員が安心して働ける環境を整えるために、看護小規模多機能サービス単体ではなく、ワンフロアに他のサービスと併設することにより平面で二名以上を確保するなどの取り組みを行いました。

{Q.} 看多機の運営にあたり、重要なポイントは何だと思いますか?(採用や営業等)

{A.} 運営において重要なポイントはいくつかありますね。

・重度者に対応できる体制を整えること

・地域のケアマネージャーにサービスの仕組みを理解してもらい、連携を深めること

・職員の教育を徹底し、サービスの質を高めること

・複合型で運営することで、利用者さんの状態に合わせて柔軟なサービス提供を行うこと

・夜勤体制を一階層に対して二人以上確保し、職員の心理的負担に配慮すること

これらを押さえて運営することが重要だと考えています。

看多機施設「新湊あいの風」

{Q.} 売上や営業利益等の運営実績を教えていただけますか?

{A.} 売上については、事業所によって差があり、年間5,000万円程度のところもあれば、7,000万円を超えるところもあります。利益率は介護事業の平均の2倍以上、10%程度の利益が出ている事業所もあります。重度の方に対応できている事業所ほど、売上が高く、利益率も高い傾向がありますね。

{Q.} 看多機の事業の魅力について教えてください。

{A.} 看多機の魅力は、利用者さんの生活を最後まで支える中でのやりがいを感じられることです。利用者さんが自宅でどのように生活しているのかを把握した上で、その人らしい生活を伴走してサポートできるのは、この事業の最大の魅力だと思います。 また、様々なサービスを組み合わせて提供することで、利用者さんのニーズに合わせた柔軟な対応ができるのも魅力の一つです。さらに、職員についても様々なスキルが求められるため、介護職員としての成長を実感できると考えています。

看多機施設「高岡あいの風」

{Q.} 今後の展望について教えてください。

{A.} 今後も、看多機事業を中核に据え、複合的なサービス展開を検討しています。 例えば、グループホームや住宅型有料老人ホームを併設することで、よ

り利用者さんのニーズに対応できると考えています。 また、スタッフの働きやすい環境整備も重要だと考えています。

{Q.} 看多機事業を検討している方へのメッセージをお願いします。

{A.} 看多機は、地域包括ケアの要として、高齢者の在宅生活を支えるやりがいのある事業です。訪問看護で医療ニーズにも対応でき、多職種協働で利用者さんに寄り添えます。 小規模多機能からの移行も可能で、他サービスとの連携で収益向上も期待できます。地域ニーズの把握と職員の育成が成功の鍵です。地域からの信頼を得ること。 職員の専門性を高め、チームで連携することで質の高いサービス提供をすること。なにより地域を支えたいという強い想いが重要です。

いかがでしたでしょうか。看護小規模多機能への参入は、他事業以上に綿密な準備と戦略が必要になります。このコラムが、皆様の事業展開の一助となれば幸いです。

事例企業のご紹介

ユニバーサル株式会社は、富山県の介護会社です。

事業内容は、施設サービス(特別養護老人ホーム、グループホーム等)、在宅サービス、居宅介護支援、福祉用具レンタル、訪問看護、介護資格スクールと多岐にわたり、地域包括ケアシステムにおいて重要な役割を担っている法人です。

看護小規模多機能型居宅介護では、「通い」「泊まり」「訪問介護」「訪問看護」 を組み合わせた柔軟なサービスを提供し、利用者さんの在宅生活を支えています。

利用者さん一人ひとりの意思や希望を尊重し、その日の過ごし方や生活ペースに合わせた支援を行う。地域交流も重視し、地域行事への参加や地域住民の施設への招待を積極的に行っています。また、介護のプロフェッショナルとしてだけでなく、一人の人間として輝ける人材育成を重視し、従業員教育に注力しています。

HP: https://www.ainokaze.ne.jp/

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