「最後まで笑顔で生きられる街を創る」――救急医療から介護まで、一貫して地域を支 える医療法人の取り組み

はじめに

現在、訪問看護ステーションの数は全国的に増加の一途を辿っており、特に地方都市においては事業所間の利用者獲得競争や、看護師・リハビリ職の採用難が大きな経営課題となっています。 他方で、在宅生活を法人全体として一体的に支援できる体制を整えている事業所は少なく、多様なニーズに柔軟に応えられる地域に根差した事業所がまだまだ求められている現状があります。

【法人紹介】

医療法人医王寺会様は、三重県松阪市を中心に「救急から在宅まで」を一貫して支える医療法人です。2015年の設立以来「最後まで笑顔で生きられる街を創る」という理念のもと、地域の救急医療を支えるクリニック運営を皮切りに、訪問診療、訪問看護、居宅介護支援事業所、訪問介護と、在宅生活を支える機能を順次拡大してきました。
また2026年10月には、日本財団で採択され約9億円の助成を受けた大規模プロジェクトとして、看護小規模多機能型居宅介護・ショートステイ・有料老人ホーム・カフェが一体となった複合施設をオープン予定です。


Q.船井総研:クリニック運営からスタートし、訪問看護、そして介護へと参入された経緯と想いについて教えてください。

A.志賀共同代表
「家に帰りたいけど帰れない」という現実を目の当たりにし、理念を実現するために必要な機能を付加していきました。

もともと私たちは2015年にクリニックを立ち上げ、最初は救急医療の現場にいたのですが、地域医療の課題を感じて在宅診療を始めました。 しかし、在宅診療をする中で「家に帰りたいけれど、介護力不足で帰れない」「施設には入れない」という現実や、看取りのニーズに直面しました。そこで、私たちの理念である「最後まで笑顔で生きられる街を創る」を実現するためには、医療だけでなく看護や介護の力が必要だと痛感したのです。
当初は外部の訪問看護ステーションと連携をしていましたが、地域に訪問看護ステーションさんもいっぱいいっぱいで受け入れができないケースなどもあり、訪問看護を自分たちで立ち上げました。
制度だからやる、儲かるからやる、ということではなく、「家に帰れない人がいるから、私たちがその受け皿を作る」というコンセプトが先にあり、その手段として2020年に訪問看護ステーションを、続いて訪問介護を立ち上げました。


Q.船井総研:
現在の利用者数や職員体制といった事業規模と、医療法人として運営する上での収支バランスの考え方について教えてください

A.野々山理事
月間約250名の利用者様を、看護師14名・リハビリ職8名の体制で支えています。利益率よりも「地域のインフラ」としての存続を重視しながら活動しています。

現在の事業規模ですが、レセプト請求ベースでの利用者数は約250名です。職員体制については、育休中のスタッフも含めた実数で、看護師が14名、理学療法士などのリハビリ職が8名在籍しています。
人件費率は約70〜75%で推移しています。 一般的な営利企業の訪問看護ステーションであれば、利益率30%確保を目指すケースもあると思いますが、私たちはそこまでの利益追求はしていません。
正直なところ、利益だけを追い求める訪問を行っていけば、売上を現在の1.2〜1.3倍にすることは可能だと思います。しかし、私たちの目的はあくまで「地域インフラ」として機能することです。 自分たちだけでサービスを抱え込まず、地域の他の介護サービスと連携し、終末期の利用者様においても週1回の訪問看護でも自宅生活が維持できるような体制を作ることの方を重要視しています。そのため、医療保険の割合も全体の3割程度であり、利益の最大化よりも地域にとって必要なサービスを継続的に提供できるバランスを大切にしています。


Q.船井総研:競合が増える中、多くの利用者様から選ばれている要因や、医療法人ならではの強みはどこにありますか?

A.野々山理事
クリニックとの密な連携による安心感と、法人全体としての一貫したサポート体制だと考えています。

在宅での生活を希望する方たちに、訪問診療(医師)と訪問看護・介護が一体となって介入し、「うちに任せてくれれば何とかしますよ」と言える法人としての総合力が、ケアマネジャーや病院の方たちからの圧倒的な信頼に繋がっていると感じます。
また、単独のステーションでは採算が合わず敬遠されがちな、車で30〜40分かかる遠方のエリアもあえてカバーしています。効率よりも「地域全体のインフラ」としての役割を重視することで、結果として広い地域シェアを獲得できていると感じます。


Q.船井総研:今後の展望として、どのような事業展開を考えていらっしゃいますか?

A.志賀共同代表
今年、新たに「お家に帰るための介護施設」というコンセプトの拠点をオープンします。

これは看護小規模多機能型居宅介護やショートステイ、有料老人ホームの機能を融合させ施設になっています。
入所する機能も持っているのですが、単に入って終わりではなく、「いつでも家に帰れる」ようにする場所であり、同時に「家に居続ける」ことを支える場所でもあります。
またカフェや多目的施設も併設する計画です。住み慣れた環境で暮らし続けることを支える拠点を整備すると共に、地域で暮らす人たちがお互いに自然な形で手を差し伸べ合う機会を増やせる拠点を目指していきたいと思います。

料金や内容などを詳しく知りたい方は、お気軽にお問い合わせください。

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