日本の介護は、アジアでも通用するのか?

2019年7月12日配信

カテゴリ:
介護

こんにちは、船井総研の橋本和樹です。

日本ではすでに施設系介護事業の新規開設が鈍化しており、一方で地域密着系介護事業(定期巡回・随時対応型訪問介護看護、小規模多機能、看護小規模多機能)が急速に整備されている様子が見られます。これはライフサイクルでいえば成熟期を迎え、多くの地域でピークアウトを迎えていることを示していると考えます。

一方でアジア、特に中国では一人っ子政策の影響もあり、急速に高齢化が進んでいます。すでに日本、アメリカ、ドイツなど多くの海外企業が中国介護市場に参入したり、中国現地法人との交流が頻繁に行われています。介護保険制度が始まりおよそ20年、日本中でインフラとして定着し、産業としても成立できた日本式介護モデルは、世界からも注目されており、私も中国に行くたびに多くの交流機会に恵まれています。

現在の中国の介護サービスを分類すると、日本と同じように在宅介護・施設介護の2種類があります。施設介護サービスについては、以前から運営されていた特別養護老人ホームのような介護施設、民間企業が運営している有料老人ホーム、主にアメリカを参考にして業態開発されたCCRCの3種類が主だったところです。在宅介護サービスについては、中国では家政婦サービスが伝統的に成立していた国なので、そこから派生した訪問介護サービス、地域包括支援センターと小規模多機能をミックスしたようなコミュニティ系サービス、さらにはデイサービスに似た業態などがあります。日本の2000年代前半に近い混沌とした、しかし勢いを感じる状況と言えます。

しかし、違いもあります。一番大きな違いは、介護保険制度と基本政策です。
中国介護は、9073という基本政策があります。90%は在宅介護、7%はコミュニティ系サービス、3%は施設サービスで暮らしていこう、という考え方です。日本よりも圧倒的に在宅介護を推進したい意向があるのです。

介護保険制度については、省によって具体的政策が異なりますが、すでに介護保険を運用している省であっても、その金額は極めて限定的であって、日本のように「少ない利用者負担で、充分なサービスが受けられる」という状態にはありません。社会保障に関する基本政策から推測すると、今後も日本と同等の充実した保険制度になるのは考えにくいのではないか、と現時点では考えています。

こうした政策や文化の違いなどを把握しながら、諸外国企業との差別化をしつつ、自社商品をローカライズしてビジネスデベロップをしていく、それが海外進出という選択肢で、船井総研も今年から中国介護市場へのコンサルティングサービスを開始したところです。

早速、7月23日、中国上海で初めての介護経営者向け研究会を開催します。すでに100名を超える中国人経営者から参加申込をいただいており、中国で介護事業を運営している経営者からの日本式介護や船井流経営法への期待の高さがうかがえます。
今後、日本と中国の交流機会も増えていくと思いますので、海外進出を検討している企業経営者、中国介護に興味を持っている経営者、外国人採用やダイバーシティーを推進したい経営者の皆様は、ぜひ日本の介護サービス経営研究会にもお越しいただければと思います。


◆介護サービス経営研究会

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この記事を書いたコンサルタント

橋本 和樹

上場企業、地方商圏トップシェア企業を中心に、事業拡大を前提とした経営戦略・組織戦略の構築実行、業態開発、ダイバーシティー推進を主なコンサルティングテーマとしている。また、投資ファンドのアドバイザー、中国介護法人の業績アップ支援など、幅広い顧客の介護事業経営を支援しており、多くのクライアント企業がメディア・書籍等で紹介されている。

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